2025年7月28日(月)14時00分〜16時00分「和田丈広マエストロへの道」のワンディクラス(和田丈広音楽塾)において、神戸みんなのホールでみんなの音楽会「オペラフィナーレ7重唱アンサンブル」が開催されました。
ワンデイクラス生に新たな仲間とみんなの音楽会正会員の皆様を迎えて、約2時間の充実した講座となりました。

今回は《フィガロの結婚》第2幕フィナーレを題材に、講座を進めていきます。
約20分にわたる緻密なアンサンブルと劇的展開が続く、オペラ史上屈指の名場面です。

講座開講までのオフショット











出演者一同の紹介&挨拶



今回のお話しでは、登場人物それぞれの心理や思惑が、どのように音楽に反映されているのかを丁寧に読み解いていきました。
例えば、伯爵の「声の高まり」によって怒りの感情が増幅される場面、スザンナと伯爵夫人の「計略のささやき」が音楽的にどう表現されているか、など、スコアの細部に宿るドラマが紹介され、参加者からも「まるで映画のような展開!」との声が。

また、次々と現れる新しい登場人物が、音楽的にも“重なり”として緻密に組み合わされていく様子は、まさにモーツァルトの職人芸。音の密度が高まることで“混乱のカオス”と“喜劇の妙”が同時に成立するという構造に、感嘆のため息がもれました。



このフィナーレでは、音符の裏に隠された人物像を掘り下げることも重視されました。
・伯爵:短く切れのあるリズムと高音域で、支配欲と苛立ちを音楽が代弁。
・伯爵夫人:長くレガートな旋律で、優しさと切なさがにじむ。
・フィガロ:軽妙なテンポで、即興的な知恵と余裕が表現される。
・スザンナ:柔軟で機転が利く表現。アンサンブルの中でも“声の導き手”として光る存在。

講座では歌詞の訳をスクリーンに映しながら、参加者の目と耳の両方でキャラクターの内面に迫る工夫がなされました。





後半は、プロの声楽家6名による“ミニ上演形式の公開練習”を実施。
第2幕フィナーレの一部を抜粋しながら、キャラクター同士の駆け引きを体感できるライブ感あふれる時間となりました。
「まるで登場人物の頭の中に入っていくようだった」「楽譜を見ながら聴くと、こんなに面白いとは!」といった声が続出し、オペラの奥深さを実感する機会となりました。




今回、テノール3名、バリトン3名の計6名の男性声楽家にご出演いただきました。
(写真:左から杵渕亮、上田祐大、鈴木アトム、上田賢、岡柊斗、松本友経)









次回の《ワンディクラス》も、より多くの方に音楽を届けられるよう、準備を進めております。
■開催予定日:8月4日(月)、8月11日(月)、9月15日(月)、 すべて14:00開始/神戸みんなのホールにて
そして9月24日(水)は東成区民センターにてオーケストラ公開稽古です!
初めての方も大歓迎!ぜひこの機会に、音楽と教養を楽しむ“ワンディクラス”にご参加ください。
本日のオフショット!
