オペラ「蝶々夫人」ハイライト試演会

 2025年9月11日(木)午後2時から神戸みんなのホールにおきまして、ヴィットーリオ・テッラノーヴァ先生を招聘して、オペラ「蝶々夫人」(プッチーニ作品)ハイライトコンサートが行われました。


 本日の公演では、今秋10月19日にイタリアのアグリジェントの劇場で上演されるヴィットーリオ・テッラノーヴァ先生によるマスタークラスの課題オペラを紹介します。テッラノーヴァ先生の来日中にアジア圏の参加者2人の女性歌手が香港から合流して、テノール上田祐大と指揮者和田丈広がハイライトシーンを発表しました。

オペラ『蝶々夫人』ハイライト

第一幕『導入部〜これが愛なのか遊びなのか』Introduzione〜Amore o grillo
/ピンカートン・ゴロー・シャープレス・スズキ

 本日の公演では、シャープレス役に山崎亮(バリトン)、ピンカートン役に杵渕亮(テノール)、ピアニストは高木伸弥が賛助出演しました。そして、ソプラノ歌手住吉恵理子先生には、通訳をお願いしました。

長崎の丘の上。アメリカ海軍士官ピンカートンが、日本の花嫁・蝶々さんを迎えるために契約結婚を企てます。結婚仲介人ゴローと、現地の事情に複雑な思いを抱く領事シャープレスが加わり、異文化の出会いとすれ違いが始まる緊張感あふれる場面です。

今回はハイライト公演のため、各シーンの間を解説を加えて進行していきます。

第二幕『花の二重唱』Duetto dei fiori/蝶々夫人・スズキ

夫の帰りを信じる蝶々さんが、侍女スズキとともに花を摘み、家中を飾るシーン。希望と不安が入り混じる中、柔らかく重なり合う二人の声が、静かな祈りのように響き渡ります。

第二幕『ある晴れた日に』Un bel dì vedremo/蝶々夫人・スズキ

オペラの中で最も有名なアリア。蝶々さんが「きっといつか夫の船が港に戻ってくる」と夢見る場面です。彼女の強い信念と純粋さが切々と歌われ、聴衆の胸を締め付けます。

第一幕『愛の二重唱』Duetto d’amore/ピンカートン・蝶々夫人

結婚式の夜。愛か、それとも一時の戯れなのか──ピンカートンと蝶々さんの二人が、夜空の下で愛を誓い合います。プッチーニならではの官能的で美しい旋律に包まれ、観客は一瞬、二人の愛の純粋さに心を奪われます。

5.第三幕『さらば愛の巣よ』Addio fiorito asil/ピンカートン・シャープレス

物語の終盤。ピンカートンは自らの行いに苦悩し、かつての「愛の巣」に別れを告げます。後悔と無力感にさいなまれる彼の姿が、劇的に描かれる重要なシーンです。

オペラ『サムソンとデリラ』《Samson et Dalila》より
「あなたの声に私の心は開く」Mon coeur s’ouvre a ta voix/作曲:C.サンサーンス/张雨诺

香港からの女性歌手、張雨诺さんによる名アリア。甘美で官能的な旋律で、会場がフランスオペラ色に染まります。

《和田丈広の指揮者(マエストロ)への道シリーズ》
イタリア演奏旅行チームのハミング合唱の公開練習 第二幕『ハミングコーラス』客席合唱

《和田丈広の指揮者(マエストロ)への道シリーズ》として、本日お越しのみなさんが参加する「ハミングコーラス」に挑戦!第二幕の名場面「ハミングコーラス」を客席合唱で再現し、このハイライト公演に特別な彩りが添えられました。

ハミングは歌詞、言葉を持たないものの、鼻腔共鳴を通じて会場全体を柔らかな響きで満ちました。

 本日はご多用の中、音楽会の会の正会員の皆様をはじめ、多くの支持者の皆様にご来場を賜り、最後まで温かい拍手とご声援を有り難うございました。また、若き声楽家らに対して、マエストロとマエストラのお二人には、お忙しい中、連日のレッスンで熱意あふれるご指導を賜り敬意と感謝を申し上げます。

 さぁ!今秋10月の渡伊留学「ベルカントプロジェクト2025」において、指揮者和田丈広とテノール上田祐大の2人の応援チーム「イタリア演奏旅行組」の皆様も決定しました。現地、イタリアのアグリジェント劇場でお会いしましょう!